キャンプをやってみたい!
と色んなブランドのテントを見てみると、値段も見た目も機能も様々で、どこを見て良いかわからない・・・
なんて事はありませんか?
本記事では、せっかくだからこそテントにこだわりたい!という方に向けて、テントで使われている生地を紹介していきます。
ちなみに、下記はコールマンのタフワイドドーム300に記載されている生地材質の説明文です。
フライ
75Dポリエステルタフタ(UVPRO、PU防水、シームシール)
インナー
68Dポリエステルタフタ(撥水防水)
フロア
210Dポリエステルオックスフォード
はじめて見る方は全く意味不明だと思いますが、本記事を読めばしっかり理解できると思いますので是非、最後まで読んでみてくださいね!
Denier(デニール)とは
・主にテント、タープ、シェードの生地について表記されることが多いでデニールについてです。
Denier(デニール)とは 繊度、糸や繊維の太さの単位(記号:D)
・絹などの生糸やレーヨン、ナイロンなど合成繊維の太さを表すのに用いられるのがデニール
フィラメント糸9,000メートル分の質量をグラムで表したものがデニール値となる。
※同素材、同様の折り方の場合デニール数値の大きい方が重く・強度が高く・硬くなる。
例)9000メートル150グラムの場合は150 デニール(150D)である。これに対して9000メートル80グラムの場合は80デニール(80D)となり、150デニールより細い糸である。
注意点
・デニールとは実質重量の数値である為、同素材の場合にのみ太さ(生地の厚み)の比較ができるのであって別素材や別の織り方の生地を用いた物同士の比較はそれぞれの特性を踏まえて考える必要が有る。
例)ポリエステルタフタ75D仕様とポリエステルタフタ120D仕様のヘキサタープの比較
こちらの2つだと、どちらが強度が高いですか?
この2種類ですと、生地に120Dの繊維が使われている方が素材面で強いので120D仕様の方です。
例)ポリエステルタフタ75D仕様とポリエステルオックス85D仕様のヘキサタープの比較
こちらの2つだと、どちらが強度が高いですか?
85Dの方が強いはずだけど、生地の織り方が違うので比較が難しいぞ、、、。
・比較の際はデニール値だけでは無く、構成素材や織り方などにも注意が必要。一口にナイロンやポリエステルといっても其々に種類が有り強度などが違う為、個々の構成素材を理解した方がよりテント選びの役に立つ。
繊維の種類
Nylon(ナイロン)
・ポリアミド合成樹脂の種類で、ナイロンは本来インビスタ社(旧デュポン・テキスタイル・アンド・インテリア社)の商品名だが、現在ではポリアミド系繊維の総称として定着している。
・女性のストッキング用として使われたのが始まり。ナイロン(nylon)の名称は、
「伝線(run)しないストッキング用の繊維」を意図した「norun」に由来する。
・主に合羽やウインドブレーカー、スキーウェアなど冬用のスポーツウエアなどの衣類に用いられるほか、
ギターの弦、ストッキングや水着、釣り糸などにも用いられている。
特徴
・高い引っ張り強度と耐摩耗性(コットンの約10倍)を持ち、軽量で伸縮性が有り低温でも硬くなり難い。
・吸水性、吸湿性が低く耐薬品性に優れアルカリに強い耐性が有る。
・紫外線により黄色化することが有る。
注意点
・ナイロンとは素材名であり、繊維のみを指す言葉では無いので認識しておくこと。
・加工し易い素材で様々な特性を持ったナイロンが製造されている為、使用されている素材の確認が必要。
ナイロン製品
・エクステンションウェビングキット、ハンギングチェーン、登山バックなど
・引っ張り強度、耐摩耗性などに優れたナイロンは高いテンションが掛かるようなアイテムに採用されることが多い。
・しなやかで軽く発色性に優れたナイロンはバックパックなどに採用されることも多い。
ポリエステル
・ポリエステルの中で最も多く生産されているのは、ポリエチレンテレフタレート(PET)でペットボトルの素材として知られている。それを糸状に加工したものが衣類等に幅広く使用されており、繊維の形状に変化を与えたり様々な素材を加えることにより種々の特性を持った合成繊維とすることが可能である。
・繊維として見た場合、ポリエステルは世界で最も生産量の多い繊維。
特徴
・耐候性が高く長期間外気に触れていても変質し難い為、アウトドア用品に採用されている
・伸縮性が低く張りが有る為シワになり難い。
・吸湿性が低く水分を保有し難い為、速乾性が有る。
注意点
・汚れを吸収する特性があり、汚れが強いものと一緒に洗濯してしまうと、生地が黒ずんでしまう場合がある。
・帯電しやすい性質の為、静電気が起きやすい。
・耐久性は優れているが、摩擦による毛玉などが残ることが有る。
ポリエステルの製品
・テントやタープなどの生地製品の多くはポリエステル製ではあるが、加工によって質感や特性などに違いが有るので意識しておく必要が有る
コットン(cotton)
・木綿(もめん)は、ワタの種子から取れる繊維。コットン(英: cotton)とも。ワタ自体のことを木綿と呼ぶこともある。
繊維としては伸びにくく丈夫であり、吸湿性があって肌触りもよい。このため、現代では下着などによく使われるが、縮みやすいという欠点もある。主成分はセルロース。
・日本には799年に綿花がもたらされたとされ、その後江戸時代から活発に栽培された。 1930年頃に綿布の輸出が世界一になるなど、日本人に係わりの深い繊維である。
特徴
・しなやかで肌触りが良く、通気性にことから衣類や寝具などに採用されることが多い。
・染色性や発色性が良く吸水吸湿性にも優れるが、蒸散性が悪く乾き難い。
・水に濡れると目地方向に縮む(一旦縮むとそれ以上は縮まない)ほか、シワになり易い。
・アルカリに強いが、強い酸に弱い。長時間日光に当たると黄変することが有る。
注意点
・吸水、吸湿性が有り濡れてしまうと乾き難い為、乾燥させておく必要が有る。
・日光に長時間さらされると黄変するので、染色されていない物は変色が目立つ。
・汚れが付き易く染まり易い為、使用時に注意が必要。
コットン製品
コールマンマスターシリーズチェア、ロゴトート、ギアトート、ランタンバッグなど)
生地の種類(織り方)
タフタ(薄琥珀織)
・平織地の絹織物の一種。名前はペルシア語で「紡ぐ」あるいは「撚糸(ねんし)で織った」を意味する(taftah)に由来する。日本では、琥珀織に似ることから薄琥珀(うすこはく)とも呼ばれる。元々は絹織物であったが、後に他の素材でも作られるようになり、ナイロン製のナイロンタフタなどもある。
・先練りにした生糸のうち、細いものを経糸に太いものを緯糸にして織りだすもので、経糸は緯糸より本数が多く2倍ほどになる。この太い横糸がごく細い粗い畝を表面に浮き出させている。地には張りがあり、軽く薄い布地の割には固さを感じる。独特の光沢がある。
特徴
・滑らかで適度な光沢が有る。
・高密度タフタ、超高密度タフタなどの種類が有る。
注意点
・シワになり易い為、収納時などに注意が必要。
・見た目で判断するには通常生地との差が分かり難いので注意が必要。
オックスフォード(oxford)
・経糸と緯糸を2本ずつ引き揃えて織る、平織の一種。斜子織りともいう。
通常の平織生地よりも隙間が多く、通気性が良いことや軽く柔らかいことなどが特長。
・名前の由来である「オックスフォード」は、名の通りイギリスの名門大学「オックスフォード大学(University of Oxford)」からきている。英語圏では最古の大学であり、世界でもトップレベルの由緒正しき名門大学。
・そんなオックスフォード大学の学生に好まれる生地を作ろうと、有名な生地ブランドのトーマス・メイソンが最初に作ったのが始まりとされている。
当時はオックスフォードの生地だけでなく、ケンブリッジ、エール、ハーバードなどの名門大学の名前をあしらった生地も作られていた。しかし結局「オックスフォード」と呼ばれる生地のみが生き残り、現在でも頻繁に着用されている。
特徴
・オックスフォードの生地は通常の平織りシャツよりも隙間が多い為、通気性がよく、基本的には軽く柔らかい。
注意点
・使用される繊維素材やデニール数により軟らかさが異なる。
◆リップストップ(rip-stop)
・リップストップ生地とは、その名の通り「rip(裂ける)」ことを「stop(止める)」特徴が有る。
・別名パラシュートクロスとも言い、平織りをする際に格子状に太く強度の高い繊維を挟み織り込んだ生地で、軽量化を図りつつ強度を保ち穴が開いたり裂けてしまった生地が強度の高い繊維の部分で止まることで、それ以上裂けないような工夫がされている。
・軍用製品やアウトドア製品・アパレルなど様々なアイテムに採用されている生地である。
特徴
・引き裂き止めの為に強度の高い太い繊維を格子状に織り込んでいる為、生地表面に格子状の模様が出る。
・強度を出しつつ軽量化が図れる為、軽量化を重視した製品に採用されることが多い。
注意点
・洗濯などにより格子模様が強く浮き出て来てしまうことが有る。
◆T/C(テトロン/コットン:ポリコットン)
ポリエステルとコットンの混縫生地のことで、両方の繊維の特性を併せ持った生地となっている。
特徴
ポリエステルの良い部分である丈夫でシワになり難く乾き易い特性と、コットンの良い部分である通気性が有り肌触りが良く吸湿性が有るといった両方を兼ね備えている。
ポリエステルなど化繊のみの製品に比べると重量が重くなってしまう。
水を吸ってしまうと乾くのに時間が掛かる。
汚れが落とし難い。
注意点
・火に強いという特徴をよく耳にするが、化学繊維のように火の粉が付いたら溶けて穴が開いてしまうというようなことは少ないが、ポリエステルの融点が260℃でコットンの引火点が約210℃という事を踏まえれば防炎素材ではないので注意が必要と考えられる
番外編
バックパックなどで使われている生地関連です。参考までに記載しておきます。
コーデュラ(CORDURA® fabric)
・コーデュラ(CORDURA®)は、アメリカに本社を構えるインビスタ社(*元はデュポン社の子会社で、現在はコーク・インダストリーズ社の完全独立子会社)の開発した機能性の高いナイロン素材です。
正式には「CORDURA® fabric」と表記される。
コーデュラを使用している製品には、「CORDURA® fabric」と記載されたライセンスタグが付けられており、
表面の50%以上をコーデュラの生地を使用していない場合は、「CORDURA® 」の製品として認められない。
特徴
特筆すべきはその繊維強度で、通常のナイロンよりも優れた耐久性(約7倍)を誇る。元々ナイロンが持っている性質をさらに強化した特別な素材となっている。
注意点
コーデュラ(CORDURA®)には沢山の種類が有り其々に特徴が有るので採用されている種類の確認が必要。
バリスティック(ballistic)
・バリスティック自体はもともと“弾道”という意味で、それが生地とどう関わってくるかは第二次世界大戦当時のアメリカにまで遡る。
当時一番強い繊維とされたコーデュラ®の原型6,6ナイロンを、さらに強くするために2本の糸を1本に撚糸(ねんし)。その糸で高密度に織り上げられた生地は、防弾チョッキに使われていた。
特徴
・2本の糸を撚糸した糸で織りあげる為、方面に独特のボコボコした表情が現れる。
・非常に強度が高く加工が難しくなる為、バリスティック生地を用いた製品は高額になる傾向が有る
注意点
・コットン素材など軟らかい素材のアイテムと併用する際は、弱い素材にダメージを与えてしまうことが有るので注意が必要。
マントル
・マントルの素材は綿繊維に硝酸ナトリウムと硝酸セリウムを含ませた物。
上記の混合物を酸化させたものに着火すると白く発光する性質を利用し大きな光量を得ている。
コメント